狭小地の3階建て住宅は「水廻り」の位置が大切
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三層のどの階に配置させるかを慎重に検討3階建て住宅が検討される理由は、敷地が狭いか、密集地にて隣家に3階建て住宅が隣接している場合もあります。
狭小敷地の3階建てでは、各階の床面積も小さくなり、各居室や水廻り(サニタリー)等の空間はそれぞれ各階へ振り分けられます。3階建ての場合は、各3つの層に分かれるため、日常の生活動線が上下階への移動が多くなり、各居室と水廻りの位置関係は非常に大切になります。そのことは「水廻り(バス・トイレ・洗濯洗面)」スペースを、三層のどの階に配置させるかを慎重に検討する必要があります。
狭小地で3階建てを検討する際は、1階への採光は難しいことが多く、2階以上にLDK(リビング・ダイニング・キッチン)を設ける場合がほとんどです。密集地で、3階建て以上の建物が隣接する場合は、3階にLDKを配置することもあります。
さらに駐車スペースを必要とする課題も浮上してきます。敷地面積が限られていると、建物の周りにカーポートを設けることは難しく、建物の内部にガレージが配置されます。俗にいうビルトインガレージとかインナーガレージと呼ばれているものです。そのビルトインガレージを1階に配置することにより、床面積はさらに減ることになるもです。このような場合でも「水廻り」(サニタリースペース)をどの階に配置するかで、上下階を含めた動線が大きく変わっていくのです。 -
2階にLDKと水廻り2階への採光が十分に得れる場合は、玄関(エントランス)からのアクセス(動線)のしやすさを考えるとLDKは2階に配置されます。水廻り空間(サニタリースペース)も2階に配置すると、1階の居室、3階の居室、そして2階のLDK、すべての部屋から水廻り空間へ近くなり、生活しやすくなります。1階にビルトインガレージを配置すると1階の床面積がさらに圧迫されることになり、極めて現実的な構成になります。
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1階に水廻り、2階にLDK2階のLDKを可能な限り広くしようとすると、寝室、子供室と水廻りは1階と3階に振り分けられます。陽当たりのよい3階は、必然的に寝室か子供室になります。その際、3階の最上部が高さ制限によって困難な場合も多々発生し、1階に水廻りと並んで寝室か子供室のどちらかを配置することになります。
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1階にビルトインガレージと水廻り空間、2階にLDK2階に比較的広いLDKを配置することを優先すると、1階が必然的に水廻り空間とすると、場合が多いようです。1階には玄関や3階に収まりづらい居室や、ビルトインガレージが入り込むことも出てきます。しかし、その場合でも25坪以上の敷地があれば、生活に無理のないかたちで納めることも可能です。
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2階に水廻りを、3階へLDKを3階にLDKを置く場合、2階に水廻りや個室といったプライベートスペースをできる限り配置し、2階と3階で日常の暮らしがほぼ完結するようにします。その結果1階に予備室やビルトインガレージをつくることができます。予備室やビルトインガレージが不要で、そこに寝室か子供室をつくる場合でも、水廻りはそのまま2階に置くと、各スペースからのアクセスがしやすく暮らしやすい動線が確保された家となります。
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