日本の暮らしに合った狭小住宅づくりを考える
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自然に寄り添った家づくり狭小住宅を豊かにするために、最も大切なことをお伝えします。
日本人の暮らしに合うかたちとは「自然とつながった家」ではないでしょうか。日本人は日々の暮らしの中で、季節の移ろいを感じとり、その一期一会の一瞬を楽しむことに生の喜びを感じ、それこそが「粋」で豊かな生き方だと考えてきました。
自然とつながった家は、終わりのない絵本のような日々、刻々と変化する姿を私たちに見せてくれます。
ガラスやコンクリートなどの建材がない時代に建てられた家は、障子一枚で内と外が緩やかにつながり、「縁側」がテラスやバルコニーのような役割を果たしていました。
家の入口には、「土間」という、内でも外でもない「曖昧」な空間が横たわり、そこに台所仕事をしたり、農具の手入れをしたり、野菜を洗ったりと、生活のさまざまな用途に用いられていました。
たとえば西欧の石造りの堅牢な建物のように、内と外を明確に分けた家でなく、どことなく開放的で、自然とゆるやかにつながっている家・・・それが、日本人の心地よいと感じる住まいの原点ではないかと感じます。
ティーアンドダブリュー(T&W)の都市型狭小住宅においても、自然に寄り添って暮らせる家づくりを大切にしています。
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自然との接点づくりT&Wでは、密集地や狭小地に家を設計する際、どのようにしたら家のなかに自然とつながる要素がつくられ、空や庭に抜けた心地よい解放感を演出できるかを一番に考えてきました。
都会や町の暮らしでは、一つの場所に多くの人が集まり、ひしめき合うようにして暮らしています。
ここでかつての伝統的な日本家屋のような開放感のある家をつくっても、たえず外からの視線にさらされ、周囲と調和せず、暮らしにくいだけです。また、家が密集しているために、そのままでは風通しや採光も確保しにくくなっています。
そこで伝統的な住まいの知恵も活かしつつ、隠すべきところは隠したうえで、「光と風」といった「自然の要素」をうまく取り入れられる開放的な場所をつくり、「自然との接点」を家のなかにもたらすことが大切です。それが、都会でも自然豊かに暮らす狭小住宅の形ではないでしょうか。
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