勾配天井も狭く感じさせない部屋づくり
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勾配天井のメリットとは、解放感と落ち着きの双方が得られるということ。小さな土地に家を建てる狭小住宅の場合、道路斜線や北側斜線の影響で、2階や3階が勾配天井になることがよくあります。勾配天井は、空間の一部に天井の低いスペースが生まれてしまうデメリットがありますが、ここは逆転の発想で、メリットとして考え直してみましょう。勾配天井のメリットとは、解放感と落ち着きの双方が得られるということ。そして、真四角ではない変化のあるスペースで、楽しい空間が生まれます。
あまりに天井の高い部屋は、まるでホールのようで落ち着かない感覚を覚えることがあります。しかし、一方が低くなっていることで落ち着き感が出てきます。さらに、勾配天井は家のデザイン性を高めるうえでも有利です。左の写真のお宅では、屋根の骨組みをイメージさせる木材を天井にデザインしました。フローリングの床と相まって木のあたたかい雰囲気が生きています。あるいは、左写真のように勾配天井に天窓を取り付けて、部屋から空や星空を眺められるように設計することもできます。
勾配天井の天窓は、ふつうの天窓と同様に壁面の窓の3倍近い明るさが得られるので、採光確保にも、とても効果的です。窓を開けられるようにしておけば、部屋の中の風通しが格段に良くなります。家の高い位置に窓があるとあたたかい空気が下から上えと流れて、家の中に空気の循環生まれるのです。特に住宅密集地においては、勾配天井があることで家の中に光と風をしっかり取り込むことができます。 -
左写真の家は、2階の勾配天井に、梁をめぐらせてロッジのような雰囲気にしました。天井の演出で雰囲気を出せるのも勾配天井のよさ。格子状に軸組みをめぐらした梁は将来、ロフトにすることもできます。
勾配天井は、さまざまな工夫を凝らせば、快適性とデザイン性、そして実用性を実現できるのです。
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