狭小地・密集地の「不整型地」である『旗竿敷地』をメリットに生かす。
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都会の狭小地における「不整型地」のいろいろ。都会の狭小地における敷地形状で不整型地は、正方形でも長方形でもない、それ以外の形をしている「角地」や「旗竿地」、「三角地」や「傾斜地」などの土地のことを指します。
整型地は、住宅会社の設計プランに対応しやすいため、価格が高く設定されているように思われます。しかし「不整型地」は特徴的な形であることから、比較的に安価に購入したい人にはうってつけでしょう。また、税務上の評価が低いため税率を抑えることも可能です。 -
「旗竿地」をメリットに生かす。そこで、今回は『旗竿敷地』をメリットに生かした家づくりのご紹介をさせて頂きます。旗竿地は、四方を家に囲まれており道路に繋がる細い路地があります。新築用の土地の場合、路地の幅は建築基準法の関係で2m以上が必要とされています。旗竿とは、土地の出入り口となる通路部分があり、その奥に家の敷地となる部分がある変形の土地のことです。言うなれば、敷地の部分が「旗」で、通路部分が「竿」です。竿部分は広さとしては結構あるのに、十分生かしきれず、もてあましがちです。このため、旗竿地は土地全体を有効活用しにくくデメリットが多いとされます。しかし、デメリットとメリットとは表裏一体です。そこで、設計の発想でメリットにすることが可能です。
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アプローチの期待感を高める「旗竿地」。「旗竿地」のメリットは、家が奥まっていることで「プライバシーが確保された静かな空間」があり、「玄関までのアプローチが楽しめる」家づくりができることです。これは都会においては、貴重な空間です。たとえば、京都の料亭や旅館では、玄関に至るまでの小路のようなアプローチを巧みに演出し、建物に入るまでの期待感を高めていく効果を生んでいます。アプローチがあることで、家に入る前に気持ちの切り替えができ、初めて来られるお客さまもアプローチを楽しみながら、この先にどんな家が待っているのであろうと、想像を膨らませることができるのです。旗竿地の通路は、上手に空間をデザインすれば、家を楽しむ気持ちをもデザインすることにつながります。
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「旗竿地」は通風、採光の確保が必要。旗竿地で気をつけたいのは、「採光」と「通風」の確保です。その点については、設計上の配慮を要します。通路部分に面する部分に開放的な窓や天窓(トップライト)を配することや、吹き抜けを設けることなどで、しっかり光と風が入り込むようにすることが可能です。また、隣地と接する側は高い位置に窓を配することが理想です。隣家の窓と相対しないようにして、プライバシーを守りつつ光と風を取り込めるように設計したいものです。このように、「旗竿地」でも設計しだいで建物が道路に面した整形地と遜色のない環境をつくることができるのです。
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