『偉大で尊敬する、故、建築家(住宅作家) 吉村 順三 氏(先生)』
2012.04.08K⁺Aで意匠・デザインを担当し、チーフデザイナーの千北 正(チギタ タダシ)です。偉大で尊敬する、故、建築家(住宅作家)吉村 順三 先生のことを思い出しました。
最近、歳をとったのか、30数年も前の学生時代のことをしばしば思い巡らすことが多くなりました。 大学2年のころ、夏期模写制作課題として、吉村順三 氏(先生) 設計の「軽井沢の山荘」の図面コピー(S=1:50)とバルサ材による模型制作(S=1:50)をしたこと。
「浜田山の家」(住宅)の着彩外観パースを描いたこと。
軽井沢での夏季小旅行での見学研修(軽井沢)での「脇田 和」邸(アトリエ)画家の見学等々。著名な脇田 和の息子で(故)脇田画伯にも当時、見学の際直接お会いすることができ、感動でした。
本当に貴重な思い出がいっぱいです。吉村氏(先生)が建築家として特徴的な事のひとつは、多くの後継者を育てた事でしょう。OMソーラーハウスの産みの親「奥村 昭雄 氏」、高名な建築家である「宮脇 檀 氏」、住宅作家として近年良く一般にも知られるようになった「中村 好文 氏」、やはり住宅中心の作家として長い間良質な建築を造り続けて来られた「永田 昌民 氏」、「益子 義弘 氏」など枚挙に暇の無いほどです。一代の才能として終わることの多い設計者の中で稀有な事です。巨匠と呼ばれる様な建築家が、後に続く人々に多くの影響を与える事はよくある話なのかも知れませんが、吉村 氏(先生)の場合は、氏の設計に対する姿勢、つまり「人間というものに対する愛情、もの造りという事への真摯さ」を伝えたという意味で極めて稀な事だと思います。単にデザインやアイディア、スタイルを伝えるのではなく、スピリット(精神)を伝えたのだと思います。
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