『決して妥協しないこと』
2013.07.25K⁺Aでチーフデザイナーをしております千北 正(チギタ タダシ)と申します。
今年も教え子から、暑中見舞いのはがきが届きました。毎年の近況報告、嬉しいものです。
一際目立ったのが、現職の前に、私が20年間 東京目黒にある、建築・インテリア・プロダクト系のデザイン学校(ICSカレッジオブアーツ:旧インテリアセンタースクール)で、教師なり立ての頃の教え子照井 信三 君からのはがきです。
今は立派な建築家となり、建築設計で、数多くの賞を受賞しており、私の誇りでもあります。
因みに、照井 君が卒業研究「建築家ル・コルビュジェの建築設計における開口部デザインの採光の研究」で校友会賞をとったときは、我が事の様に嬉しかったことを思いだします。
その彼の今年の暑中見舞いのはがきは、昨年104歳で亡くなったブラジルの天才建築家
オスカー・ニーマイヤー設計の教会〈カテドラル・メトロポリターナ〉(1970年竣工)を背にした写真です。
今回このはがきをもらう前に、私は、書店で月刊カーサ ブルータス8月号 タイトル「死ぬ前に一度は見ておくべき100の建築」を購入し、オモテ表紙・ナカ表紙をかざっている、オスカー・ニーマイヤーの作品を観て、あらためて強い感動を覚えた所でした。
私も、海外研修で、欧米の有名建築家の作品は、数多く観てきたつもりですが、残念ながら、ブラジルには行ったことがなく、照井 君の暑中見舞いのはがきをみて、若干の悔しさと、羨ましさを感じた次第です。
しかし、天才建築家オスカー・ニーマイヤーの造形力は、何処からきているのでしょうか?
そして、100歳を超えてまで、設計活動を行っていた彼のエネルギーは何処からくるのでしょうか?
すべてに圧巻されます。
照井 君と、この事について、昨日メールでやり取りをした内容(下部に添付)の末尾に、ニーマイヤーの言葉として、「決して妥協しないこと」と書いてあります。
このことも、一つの回答を教えられたように感じた次第です。
千北先生
大変ごぶさたしております。
メールを頂きありがとうございました。
ブラジルは2回行きましたが、主要都市の目立つ建物はほとんどがニーマイヤーです。
ブラジリアは、タクシーを借り切り1日で回れます。
大聖堂は、大きくもなく小さくもなく、ル・コルビュジェのロンシャンの教会」を見たときと同じ印象でした。
ルシオコスタの都市計画以外建物はほとんどがニーマイヤーでした。
53年も前に、交差点を造らず立体交差による道路計画をみて感激いたしました。
ニーマイヤーの言葉に決して妥協しないことという言葉が有ります。
ほんと、妥協しないのは難しいと感じます。
それではまた。
« 街中で || ほんとうに暑いですね »
関連記事
-
2024.09.02
約90年前に竣工した木造モダニズム住宅の傑作「土浦亀城邸」 -
2024.03.26
理想的な狭小住宅の「完成イメージ」の伝え方 -
2023.11.28
小さな家は「住いの原型」であり「未来の家」 -
2023.04.06
簡素にして豊さを求めた「カップ・マルタンの休憩小屋」 -
2022.07.02
「小さな家」は名作が多い。 -
2021.05.16
狭小住宅の『住吉の長屋』の設計が、独学の建築家・安藤忠雄の世界を大きく変えた。 -
2019.02.20
お詫び申し上げます。 -
2018.07.01
『増沢 洵 「自邸―最小限住居」という選択肢』 -
2017.10.22
『芸術家としての意匠が、住まいの細部に生きる朝倉彫塑館』 -
2017.02.24
『社員研修』を通して新たに教えられること。
最新記事
- (09.02)約90年前に竣工した木造モダニズム住宅の傑作「土浦亀城邸」
- (03.26)理想的な狭小住宅の「完成イメージ」の伝え方
- (11.28)小さな家は「住いの原型」であり「未来の家」
- (04.06)簡素にして豊さを求めた「カップ・マルタンの休憩小屋」
- (07.02)「小さな家」は名作が多い。
カテゴリー
アーカイブ