通風採光のよい狭小住宅とは
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通風採光のよい狭小住宅とは敷地面積が限られた都心の密集地に狭小住宅を建てる場合、隣家がせまっているので居心地のよい家にするためには、その対応が必要になります。
とくに「光」と「風」の採り入れ方には工夫が必要です。工夫というと、何か特別なことをするようですが、難しく考える必要はありません。 いたってオーソドックスなことを積み重ねることで、採光や風通しのよい家を実現することができるのです。たとえば隣家に面して窓を大きく開かなくても、窓の位置や壁の高さを調節して風が抜ける家にすることはできます。そうした小さな配慮の積み重ねによって、室内の空間もより豊かになっていくのです。 -
トップライトは階段室の上に設ける家の中央付近に階段室を設け、その上にトップライトを配すると、階段室の吹抜けを通じて1、2階ともに自然光の恩恵を受けることができます。階段の位置が中央付近でなくても、そこから落ちてくる光によって室内が豊かな空間になるのであれば、トップライトとしての機能を十分に果たしてくれます。
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隣家を隠して光を入れる南側でも、隣地境界線ギリギリまで寄せて建てなければならないことがあります。
南側だからと、お約束のように大きな窓を開けると、いつも隣家を見て暮らすことになってしまいます。南からの採光を得ながら、そんな状況を避けるためには、天井高さを3m前後として高窓をつくる方法があります。 -
坪庭で風の通り道をつくる光庭とも言われる坪庭ですが、光だけでなく風を室内に呼び込むことができます。
狭小住宅とも言われる小さな家の坪庭では、広さも限られ、期待したほど室内に光が入らないこともありますが、風は風の道さえあればよく、逆に小さな坪庭であるほど柔らかな風が室内に入り込んできます。 -
囲ったバルコニーで光と風を小さな敷地では、建物の周りに庭と呼べるような空地が確保できることはめったにありません。
それなら「土の庭」にこだわらず、2階のリビングやダイニングとつながるバルコニーをつくり、庭代わりとすることも考えられます。目隠し壁を立ち上げて、隣家からの視線をカットすれば、さらに使いやすくなります。 -
ドライエリアから光と風を採り入れる地上で必要な諸室が確保できない場合、地下室をつくることがあります。
地下室では、ドライエリア(空堀スペース)をつくり、光と風を室内に入れるようにします。柔らかな間接光を感じられる程度の、小さなドライエリアで十分です。大切なのは、ドライエリアにより地下の閉塞感を拭い去ることです。 -
廊下や階段を風の通り道にするなんとなく部屋の風通しをよくしたいと考えても、家全体の風通しについて意識することは少ないかもしれません。しかし家全体に風が流れるのは、人にとっても家にとってもよいことです。
家のなかの動線空間を風の通り道にすると、大きな風の流れが生まれます。
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